カマドウマの文化的意義:なぜ「縁起が良い」「神の使い」と見なされるのか?

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カマドウマが縁起が良い、神の使いと呼ばれる理由

カマドウマって縁起が良い虫なの?神の使いっていう話もあるけど、本当?

このような疑問に答えます。

この記事で説明していること
  • カマドウマは縁起が良いと呼ばれる理由
  • カマドウマが神様の使いと呼ばれる理由

結論から言うと、カマドウマの特徴(跳躍力、雑食性)から縁起が良いとされていると考えます。

そして、カマドウマの触角の長さから、神様の使いと呼ばれている可能性が高いです。

詳細は、以下の本文で説明しています▼

目次

カマドウマが縁起が良いと呼ばれる理由

一般的には、カマドウマは縁起が良いという話は全国的に周知されていません。

ただ、調べていくと、縁起が良いとされる理由がいくつか見つかりましたので、ご紹介します。

跳躍力の高さから飛躍するという暗示

カマドウマの特徴といえば、ピョンピョンと飛び跳ねるその跳躍力。

この跳躍力の高さから、

  • これから人生が飛躍していく
  • 新しい段階に進んでいく

などのスピリチュアルな意味・暗示があると一部でいわれています。

そのため、家でカマドウマを見つけたら、縁起が良いとありがたがっている人がSNS上にいました▼

なので、もし家の中でカマドウマを見つけたら、外に逃がしてあげることで、その後の人生が良くなるかもしれませんね。

中国の古い本にカマドウマは兆しと書かれている

昔に作られた中国の古い本にカマドウマのことが載っています。

その本が作られたのは『中国明代』の頃。

1368年から1644年まで存在した王朝のことで、中国史上でも非常に影響力のある時期とされている頃です。

そして、本の名前は『本草綱目』

1578年から1596年にかけて作られたの百科全書的な本といわれています。

この本草綱目の中には、カマドウマ(竈馬)について記されていた項目があり、 『鍼道五経会』では、以下の原文と和訳が載っていました。

原文:俗言竃有馬足食之兆。

和訳:俗に言う竃に馬あれば食を足すの兆なり。

参考ページ:鍼道五経会

カマドウマは『竈馬』とも書かれます。

昔から存在していたカマドウマは、竈(釜戸) のすぐにすみ着く馬のような顔をしていたことから、この名前がついたといわれています。

つまり、 本草綱目に書かれている、

俗に言う竃に馬あれば食を足すの兆なり

とは、

竈にカマドウマがいれば、食が増える兆しだ

という意味になるのです。

ですから、中国では昔から、カマドウマは縁起が良い虫とされていた可能性が高いです。

なぜカマドウマが食が増える兆しなのか?

ただ、ここで疑問なのは、なぜカマドウマが食が増える兆しだとされていたのか?ということ。

ネット上で調べる限りでは、カマドウマがいることで食物が増えるという話が全くありません。

ただ、考えられる理由として、カマドウマが雑食性の昆虫であることが挙げられます。

カマドウマは雑食ゆえになんでも食べます。

例えば、生きた小さい昆虫、死骸、樹液、落ち葉などなど。

生きてようと死んでようと、植物だろうとなんでも食べ物として扱えるのです。

そのため、カマドウマは堆肥や腐植質という土の中の有機物を食することができ、土壌を豊かにする役割があります

◆堆肥・腐植質とは?

  • 堆肥:植物の残りかすや動物の糞などが分解されてできる肥料のこと
  • 腐植質:植物の葉や枝などが時間をかけて分解され、ふかふかの土に変わったもの

カマドウマがこれらを食べることによって、その排泄物からさらに微生物が栄養を入手。

結果、土壌が豊かになり、植物が育ちやすい環境が作られます。

なので、農業を営む人にとっては、カマドウマは有益な存在と見なされるかもしれません。

つまり、これらの情報から、中国では古くから、カマドウマは作物を豊かにする虫として見られていたのでは?と考えます。

カマドウマが神の使いと呼ばれる理由

一般的には、カマドウマが神の使いといわれている情報はほとんどありません。

しかし、昔に作られた書物に神の使いだとされていた情報が載っていました。

その情報が載っていたのは『和漢三才図会 』

江戸時代中期に作られた日本の図解入り百科事典です。

和漢三才図会について説明しているブログ『Blog鬼火~日々の迷走』では、

  • 「カミノツカイ」
  • 「ダイコクノヒゲ」
  • 「イドカミサマ」
  • 「エビスノウマ」
  • 「フクコオロギ」

などの別名がカマドウマに付けられていたと記載されていました。

出典元:Blog鬼火~日々の迷走

そして、そのブログの中では、別名の補足もあり、

先の異名の「神の使い」「大黒の髭」(長い触角を喩えたのであろう)

「恵比寿様」(大黒も恵比寿も福の神である)

「福蟋蟀」もそうした系列のものと読める。

出典元:Blog鬼火~日々の迷走

という内容も書かれておりました。

確かに、七福神である『大黒様』、『恵比須様』のヒゲを見てみると、長く書かれているものが多くあります。

つまり、カマドウマは、触角の長さから神の使いと呼ばれるに至った可能性が高いです。

カマドウマは縁起が良い&神の使いと呼ばれる理由まとめ

今回は、カマドウマは縁起が良いといわれる理由と、神の使いと呼ばれている理由について考察してみました。

以下、今回の簡単なまとめになります▼

今回の簡単なまとめ

■カマドウマは縁起が良いとされる理由

  • 跳躍力の高さから、人生が飛躍するなどのスピリチュアルな意味・暗示がされているため
  • 古くから中国では、その雑食性から農業者にとって有益な虫だと見られていた説

■カマドウマが神の使いと呼ばれる理由

  • 触角の長さから、七福神のヒゲに喩えられていた可能性が高い

カマドウマの縁起に関しては、そこまで全国で認知されていませんが、調べてみると、日本だけでなく中国でもそういうお話がありました。

その見た目から良い印象を抱かない人も多いと思いますが、大切にしてあげると、後々良いことに繋がるかもしれませんね。

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